新しい経済学

お金になるかならないかが分かり易い価値の基準になっている昨今ですが、経済学で言う価値の定義って何でしょう? 素人なので間違っていたら申し訳ないんですが、銀行の金利とか利子というのは永遠の経済成長という想定と言いますか、世の中に付加価値が生まれ続けない限り成り立たないのではないでしょうか。農業・漁業・林業・採掘業・工業・小売業といった私たちの生活を支える基本的な仕事の他に、いろんな種類のサービス業が占める割合が多くなっている現在ですが、サービス業が生み出す付加価値を計量することが今の経済学では難しいんじゃないかと思います。知的生産という言葉がありますが、例えば娯楽産業はお金になる限り付加価値と認められていると思います。人の気持ちを暗くし恐怖を与えるのであれ、人の気持ちを明るくし勇気を与えるのであれ、今の経済学で見るのは売上だけで、内容はまったく問わないのではないでしょうか。また、医療産業の規模はかなり大きいのでしょうが、人類の成長という観点からしたら、私たちが健康になり産業規模が小さくなるのが付加価値だと言えるのに、今の経済学では医療産業が拡大することも経済成長に入れるのではないでしょうか。動植物の生態の研究のような、それ自体ではまったくお金にならないような学問がいくらもありますが、そういった要素は知的生産としてカウントされていないように思います。結局、世の中を動かす大きな力を持つと見做されない要素は相手にしないという訳で、私たちの実際生活を価値の基準から正確に計量しようという気がないのではないでしょうか。そんなような議論をあまり聞いたことがないのを寂しく思います。