スケール

何でもスケールが大きいと言われるのがアメリカです。物の尺度が大きいのはもちろん、世界の警察と言われる通りに考え方のスケールも大きいのです。それと比べると確かに今の日本人はスケールが小さいと思います。自分の家族や住んでいる地域の発展を望むのももちろん悪いことではないのですが、国のために何かをしようと考える人が、良くも悪くも少なくなったように思われます。明治の人の方がスケールが大きかったと言えますが、私個人としては明治時代の方が良かったとは思いません。当時あったような軍事帝国主義が資本帝国主義と共産帝国主義に分かれて、今度はそれがIT帝国主義に変遷しつつあると言えるばかりで、根本的な考え方は大して進歩していないように思うからです。あとはユートピア思想とか悟りを開いた人による神権政治など、実現不可能な考え方があるばかりという、西洋も東洋もここ何千年かの歴史で考え出したものはそれだけ、という何とも情けない話です。今後どこの国が世界の覇権を握るとか、そんな詰まらないことを議論している時間はない、というのがこの世界の現状ではないでしょうか。日本人はもっと大きいスケールで考えないといけません。どう大きいのかと言いますと、国益がどうのとかいう小さな枠を越えて、それこそ「世界人類のために尽くす」という一念を持つことが必要です。