知らないこと

日本ではスピリチュアルと言えば夜店のような世界から始まり、例えばリーディング(占い)やヒーリングや開運グッズのような、ちょっとした不思議な体験に興味を引かれるのが普通だと思います。このこと自体は良いことでも悪いことでもなく、人間知らないことに興味を持つのは当たり前の話ではないでしょうか。この時点で急に臨時収入があったり恋人が出来たりして、自分もスピリチュアルティーチャーとして活動を始める人もいます。しかし冷静によく考えてみれば、この言葉を唱えさえすれば—このグッズを家に置きさえすれば—人生すべて上手く行くんであれば、世の中苦労する人はいないはずだ、ということは誰にでも分かります。スピリチュアルに長く関わっていると、「あなたのこういうところが問題です」と指摘してくれる人によく出会います。よくよく考えると、まったく正しいこと言われている場合が多いのです。私自身も「あの時正しいことを言われたんだな」と振り返って思うことがしょっ中あります。だけど、知ったところでどうすればいいのか方法を教えられないわけです。方法がなければ何も知らないのと同じだということに、十年もすればだんだん気が付くようになって来るものです。知ることと行うことが同時に起こることはあり、「言下に悟る」というのは相当筋のいい人の話でございます。しかしながら「知っていることを活かさなきゃ意味がない」と気づくだけでも一歩前進です。